Dear My Soul。その2


僕にとって今年2011年は2001年にCosmic Pink epをリリースして10年目を迎える節目の年。気がつけばって感じで、そんな年にアルバムリリースが決まったのは、単なる偶然でしかない。でも僕の中で、ひとつ大きなプロジェクトが完結したことは確かなことなんだけど。基本的に僕とレーベルはアーティスト契約をしているのではなく、トラック契約だ。もう少し詳しく説明すると、トラックの保有権はトラックを制作したプロデューサーの僕にある。僕はレーベルに一定期間トラックを貸し出すというものだ。この一定期間なんだけど、僕がデビューしたころは3年だったけど、今は10年になっている。しかもミックスを変えた新たなバージョンもその中に含まれる。ますますこれはアーティスト側に不利益にも見えるが、実際、3年経過した後に、また新たなレーベルを探すというのも現実的ではない。それは自主レーベルを立ち上げるとかとなると話は別だけど。
このリリース予定は遅れに遅れた。ジャケットデザインはもう1年前にはドイツのグラフィックチームによって制作され、あとはレーベルがリリースのローテーション調整をしてスケジュールを決めるだけの段取りだった。しかし昨年の年末にレーベルのオフィスに泥棒が侵入し、メインのサーバーも盗難に遭って、重要なデーターのほとんども失ってしまうというハプニングがあったり、担当者が突然レーベルを辞めて、引き継ぎがなってなかったり、今度は後任の担当者が僕のトラックのデーターを紛失していたり、僕のトラックとは全然関係ないことが原因で、けっこう心は振り回された。というか耐えた。それはとても長く感じた。このアルバムがリリースされないと気持ち的に前に進むことができなかったから。実際、僕はこの1年以上、新しいトラックを1曲も作っていない。これはスランプとかじゃなくて、ほんとに作る気がしなかった。なぜなら今回のDear My Soulはブレてないし、骨太だし、ロックだし、よそ見してないし。やりたいことやったし。しかし、その分、ほんとにリリースできるかみたいなところのリスクは大きくなる訳で、トラックを貸し出す身として。だからリリースが決まってホント、嬉しい。よかった。
peace

10年前にリリースしたCosmic Pink ep
http://www.mole.de/eng/Releases/release2.php?kid=mole034-6